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MOON AND THE MEMORIES

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タイトル未定 ①

 その形の良い細い眉が不機嫌そうに寄っているのは、ルキアの目の前にいる恋次が発した言葉のせいに他ならない。
 とうの恋次はルキアが不愉快になっていることは気にせずに--もしくは気付かずに--両手を合わせてルキアに向かい拝んでいる。
 そんな恋次をちらりと睨みつけてから、ルキアは深々と溜め息を吐く。
「…弐組の私には関係ないだろう。私はイヤだ」
「そんなこと言うなよ。困ってんだよ、マジで」
「イヤだったらイヤだ。今夜は課題をやると決めている」
「課題ってあれだろ? 来週提出の、鬼道のだろ? それなら明日俺が手伝ってやるから。ってか俺がやってやるから」
「課題は己でやらねば意味がないだろう。せっかくの申し出だが断る。課題の手伝いも今夜の件も」
 話は終わりだ、とばかりに立ち上がるルキアの袴の裾をひしと握り締め、恋次は「ホントお願いしますってばルキアさま!」と引き止めた。本当に帰ろうとしていたルキアは、歩き出した途端に裾を掴まれていたせいでずるりと落ちた袴を抑え、頬を袴と同じ真赤に染めて怒り出す。
「こら離せ莫迦者! 変態! 助平!」
「薄情なこと言うなよ、俺とお前の仲だろ!?」
「ただの昔馴染みだ! 幼馴染み! 腐れ縁! 他人が聞いたら誤解するようなことを言うな!!」
 袴を握り締める恋次の手をぴしゃりと叩いて離させると、恋次は肩を落としてうなだれた。そんな意気消沈した恋次を見下ろし、ルキアは再び溜め息を吐く。
「…話だけは聞いてやろう。詳しく話せ」
 途端、顔を輝かせる恋次に「聞くだけだからな!」と念を押し、ルキアは三度目の溜め息を吐いた。


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