本日3回目の日記だったり。
人が消えて誰もいない。
けれどそんなのは今に始まった異常じゃない。
もうとうに何もわからなくなっていた。何かがおかしくなっていた。
一護が消えてあたしの中には何もない。
何も言わずに行ってしまった一護。
あたしは何も出来ずに一人取り残されてる。
という訳で3回目の日記は昨日に続き「リミットは月曜日!それまでに妄想吐き出さないとネ!」更新です。
今週のWJ超ネタばれなので、知りたくない方はスル―。
しかしこの日記のテンプレ、話の中で間を表す横棒(――←これね)が真中じゃなくて上に行っちゃうので見栄えが悪い。
しかしテンプレデザインが気に入ってるのでこのまま行くー。
今日もまた妄想部分はなしです。そして明日に続きます。
日曜日までに終わるんだろうか…
ってか早売りジャンプとかネットでは販売前に先に見られたりしちゃうんだっけ。
…まあいいかっ!
いくら空手で鍛えているからといっても、いくらみちるが小柄だと言っても、同じ年の少女の、しかも意識を失っている身体を背負い歩くのは少々きつい。
それでも道端に放置できる筈もなく、たつきは背後の啓吾を見た。普段は軟弱そうな啓吾は、さして苦も無くみちるよりも体格のいい千鶴を背負って歩いている。それがたつきには少し悔しい。
絶対に越えられない壁。
どんなに鍛えても、男より骨が太くなる訳ではない。どうしても身体は丸みを帯びる。同じだけ鍛錬をしても男のように筋肉は付かない。幼い頃にはそれが酷く悔しくて、部屋でこっそりと泣いたこともあった。
――あれは確か。
一護に初めて負けた時だったっけ。
過去の記憶に浸り始めればまた塞ぎこんでしまう。自分の過去の記憶には必ずあのオレンジ色の馬鹿が付いて回るのだ。
慌てて首を振って「そういえばさ」と啓吾に話を振った。
小島を探しに行かないの、と何気なく振った話は、啓吾にとって真摯な話題だったようだ。啓吾らしくなく、大人びた表情で「距離感」を伝えられ再びたつきは過去の記憶に囚われる。
いつから一護との距離が測れなくなった?
幼い頃は何の躊躇もなかった。
中学に入っても、何の躊躇いもなかった。
高校に入って――そう、その時に、
『私、黒崎君が好きだなあ……っ』
「やめようぜ。……何の話してんだか」
啓吾のその声にたつきははっと我に返った。取り繕うように「寒い話でしょ」と突き放す。啓吾はそんなたつきの様子には気付かずに、「てめえ……」と呆れたように声を上げる。
「とりあえず千鶴とみちるを学校に置いたら、あんたは小島を探しに行きな」
胸の痛みを無視してたつきは背後の啓吾を振り帰る。そのたつきの言葉に啓吾は意外そうな顔をした。
「国枝とか夏井はいいのかよ?」
「あの二人なら自分で何とでも出来るでしょ」
状況判断は自分の知っている者たちの中でも一番的確にできるあの二人ならば、探しに行かなくても大丈夫だとたつきは判断した。それよりも先に、自分がしなくてはいけない事がある。
「――あたしは遊子ちゃんと夏梨ちゃんさがしてくる」
一護が一番心配すること――それは、家族のことだ。
自分は連れて行ってはもらえなかった。
何の役にも立たないと。
でもせめて――自分に何かできる事を。
何処かでたった一人で何かを背負っている一護の負担を軽くする何かを。
――自己満足でしか……自己憐憫でしかないけれど。
そう、唇を噛みしめ歩くたつきを取り巻く空気が――
一瞬で変わる。
一気に重量が増した。
まるで地球の重力が突如変化したように――10倍の重力が身体にかかるように。
恐ろしい程の重力を受け、たつきの身体が悲鳴を上げる。骨が軋む。筋肉が千切れる。血が沸騰する。
沈みそうになる身体を震える足で必死に支え、たつきは前を見据えた。
(続)
この記事へのトラックバック
トラックバックURL
この記事へのコメント