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MOON AND THE MEMORIES

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一たつ第4話

「月曜日までに妄想しなきゃネ!あの足の持ち主が誰か分かってからじゃ続き書けないしね!」は
どう考えても間に合わないやー(笑)
既に早売りであの足の持ち主が誰かご存知の方はいると思いますが、いいの私はとりあえず脳内妄想を吐き出してみる。

という訳で続きからー。

実は777,777でリクいただいた煉と煌の話も出来てはいるのですが、こちらはまた明日以降アップしますー。


では、BLEACH第410話、WJ激ネタばれが嫌でなかったら…ッてここから先は完璧妄想だからネタばれでもないけれど。
もしお時間のある方は続きから第4話ですv

「勝手に人のモノに手ェ出すんじゃねーよ」
 背後に出現した気配―― 一瞬前にはなかった筈のその気配に、たつきは辛うじて動く視線を向けた。背負ったみちるの身体に隠れて背後に現れた姿は見えない。それでも、たつきにはその声に聞き覚えがあった。耳に馴染んだその声、けれど違和感を感じるその、声。
「――……、」
 名前を呼ぼうとして、けれどたつきは呼べなかった。この声は違う。全く同じ声だけど違う。これは……
 一護の声じゃない。
「また珍しいものが現れたね」
 うっすらと笑う目の前の男の霊圧に怯むことなく平然と笑い返すその男からも、たつきは圧倒的な重圧感を感じる。
「黒崎一護と呼んでいいのか?」
「ああ、構わねえよ。その名はすぐに俺の名前になる」
 くくっと笑う背後の男を、たつきはようやく振り返った。
 一護と良く似た顔。
 一護によく似た声。
 けれど全く違う。
 これは一護の顔じゃない。
 これは一護の声じゃない。
 ――これは、一護じゃ、ない。
「な、――んなのよ」
 混乱する。前方と後方、どちらの男も知らない。そのどちらもが一護の名前を口にする。一護をよく知るように平然と口にする。
 そんな混乱状態のたつきを無視して、見知らぬ男たちはたつきを挟んで会話を続けていた。
「この娘が君のモノだとは知らなかった。しかしこの娘は必要なのでね、申し訳ないが譲って頂くしかない」
「俺が黙って譲る訳がねえだろうが。俺にもそいつが必要なんだよ、横から手ぇ出すな」
「横から手を出してきたのは君の方だと思うんだが」
「俺が何年前からこいつを見てると思ってんだよ。横槍入れてんのは手前の方だ」
 目の前の男の圧倒的な圧力などどこ吹く風で、一護によく似た男は平然と嘯いている。その瞳を見てたつきはぞっとした。――まるで、破壊の神のようだ。全てを壊しつくそうとする荒ぶる魂――何もかもを壊して壊して壊して破壊する。
「黒崎一護を完璧にする為にこの娘が必要なのでね。――この娘の、死が」
 その言葉を聞いた途端、一護にによく似た、そして全く似ていない男は「かはははははははははッッ!!」と高笑いした。面白くて仕方がない、そんな様子で全身で笑う。
「それなら尚のことこいつは俺に渡すべきだぜ? なんせ俺はあいつの前でこいつを殺すんだからな!」
 びくっと身を竦ませるたつきの前で、その言葉を聞いた目の前の男は笑った。穏やかと言っていい、静かな微笑みで「成程」と呟く。
「それは悪くない。――自分の手で自分の友人を殺すとなれば、黒崎一護は更に私の求める完璧に近付く」
「そん時ゃあ“黒崎一護”は俺のことだけどな。まあこいつを殺った後、ゆっくりあんたの相手をしてやるよ」
「それもまた――悪くない」
 うっすらと笑い、目の前の男は一歩退いた。それを了承と取ったのだろう、背後から“一護”の手がたつきの腕を掴む。
「という訳だたつき。来いよ」
「だ――れが、行くかっ!」
 一護の目の前で殺す。――その言葉を聞いて、恐怖よりも怒りが勝った。自分が殺される事ではない、一護の目の前で、という言葉にたつきは敏感に反応した。
 そんなことをされたのなら、一護の自我は崩壊する。
 既に一度体験しているのだ。「自分の所為で」「誰かが」「目の前で」「死ぬ」。
「そんなことさせるかッ!」
「自分が死ぬ事よりあいつの心配かぁ? すげえな、さすがたつき」
 くくくっと咽喉で笑うその笑い方も一護なら決してしない。見下ろす一護に似た何かに向かい、ぎっとたつきは睨みつけた。
「まあいいから来いよ。一護に会いたいだろ? 一護もお前に会いたいとよ」
 背中のみちるを無造作に引き離し、何の頓着もせずに“一護”は地面に投げ捨てた。「みちる!」とたつきが声を上げる。
「何しやが……っ!」
 言葉を言い終えるより早く、たつきの腕は“一護”によって強く引かれていた。身体が宙に浮く――空へと高く舞い上がる。
「周り、見ててもいいけどな。気ィ狂わねえようにな。つまんねーから」
 残忍な笑みを含んだ声が耳元で囁く。唇を噛んで触れる程に近い“一護”の顔を睨みつける。
 そして次の瞬間、――世界がどろどろに溶けて、崩れた。 

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